旅への衝動

目の前に夜行バスが止まっていたので、その場で切符を買って乗った。とだけ聞くと全く意味が分からないと思う。先日、会社の人と一緒にとある場所を歩いていたら目の前に夜行バスがあった。
「乗ったら着くってこと?」とつぶやいたら「そりゃそうよ」と言われた。当たり前の話である。「1+1は2になるって本当?」って聞いたのとそう変わらない。行先の表示は、今まで行ったことのない場所だった。運の悪いことに、かばんには仕事に必要なPCと充電器が入っていた。たとえ私が明日、未知の宇宙空間にいたとしても、仕事ができてしまうのだ、コンセントさえあれば。
そう、コンセントさえあれば。

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車窓

野暮用で人生において10年以上ぶりに新幹線に乗った。行きはちょっとした子供の世話(といっても全く手はかからない)も兼ねていたり、軽く乗り物酔いしたり。だが一日の行程を終え、帰りでは頼れる大人の人手が一人増えたので、私も(朝の反省として)窓際の席を遠慮なくもらって、子供たちの相手をしつつノンビリすることにした。

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春が来た。花粉や黄砂が飛び、合格だの不合格だの卒業だのという季語が飛び交い、不審者たちも冬眠から覚めて動き出す暖かな季節。

ここ数日は特に卒業式が多いようで、うちの近所の大学も、着飾った袴が歩道を埋め尽くしてノロノロゾロゾロと歩いていた。

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大人になるという事

先日たまたま近隣に用事があったというだけで、軽率にチケットを取ってディズニーランドへ行った。およそ7年か8年ぶりだ。最後に行ったのは大学生の時だから。

でも子供のころの思い出は思い出のままとどめておくのが良かったのかもしれない。あの夢の国は、大人になった私には少々毒だった。

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魔法

会社でお昼ご飯を、同じ部署の先輩と食べていた。「今日疲れてるね」と先輩が笑うので、今日の朝の話をした。「7時半に目覚ましつけてたんですけど、起きたくないよお~ってうだうだしてたら7時50分で笑っちゃいました。で、とりまファンデつけて~なんとかやってかんとかやって...です。はい、わたし今日頑張るのでプリン食べちゃいますね~カロリー?知りませんねそんなの」

パイセンはケラケラ笑ってる。「え、残業確定?」「確定です」

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割れ物注意?

彼氏に、私の親族親戚の愚痴を吐いた。

というのも私の誕生日のまさに当日、遠くに住む親戚から母の陰謀論的思想や言動について「私宛に」苦言が呈されたから。私は叔母に現状をかなり懇切丁寧に伝えた上で「認知が歪みきっているようなものなので、考えるだけ無駄です」と伝えた。だが私の「かなり」丁寧な説明に対して叔母からの返事は「そうなんだー、なんだかねー。よろしくお願いします」だけだった。

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